附属端艇部通信第15号

現場スタッフから

113回 西村 健

本年度ヘッドコーチを務めております西村です。昨年の11月の関東選抜大会を終え、男子は春の対校戦を見据えたクルー作りをするべく1,2年生を混ぜての艇上練習、及びクルー編成のためのシートレースを約2ヵ月間と長期間に渡って行いました。本来、対校戦勝利をより確実にするためには各クルーの決定を急ぎ、豊富な練習を積むことが望ましいのですが、コーチ間で話し合った結果、1年生の強化が最優先であるという考えから今回はそうしました。現役選手に新クルーを発表したのは新艇の進水式が執り行われた1月13日でした。以下は、新艇「朱龍」クルーの報告です。

ロングレースを迎えたのはクルー決定からおよそ1ヵ月弱経った頃でした。結成後初の試合でしたが悪天候だったせいもあり、漕ぎのクォリティは低く散々たる内容のものだったのはレースレポートで述べたとおりです。その試合で一番足りなかったと感じられたのは、艇の一体感でした。4人の漕ぎのレンジが異なるので、キャッチのタイミングがずれることがしばしばあり、このままでは試合での高レートで安定しないことは必至です。長距離漕を多めにやり、ようやく動きが揃うようになってきたところで合宿を迎えました。

合宿は早朝から1日の練習が始まる厳しい日々でした。スタートを含めた高レートの練習とともにフィニッシュ後のブレードワークを中心に取り組みました。1年生の寺嶋は常に艇上で奮起してくれ、それに触発された2年生とともに、艇全体の動きは俄然良くなり、飛躍的に技術は向上していきました。ところが合宿の後半に差し掛かると、ほぼ全員が腰痛で乗艇練習がままならない状況になり、陸上トレーニングでの補強に努めざるを得なくなりました。選手と話し合い、原因を突き止めることが出来たので、今後に生かしたいと思います。

あと2週間ほどで春の試合シーズンの到来です。残された時間はあとわずかしかありませんが、進化を遂げた朱龍クルーの姿を披露できればと思います。附属ボート史に対校戦勝利という文字を刻み付けるために、邁進していきたいと思います。

113回 畑中 正明

女子コーチを務めさせていただいている113回の畑中です。女子クルーの現在の状況ですが、女子ダブルのストロークが関東選抜直前に医者からドクターストップを受けて約半年が経ちました。その間、ストロークの復帰を信じてバウによるスカルでの練習を続けてきましたが、医者の許可が最後まで下りず、このたびストロークの復帰を断念せざるをえなくなりました。ダブルで再び漕ぐことを目指して自宅での筋力トレーニングに励んでいただけに残念です。しかし、漕手としての復帰は叶わなかったものの、今回の合宿ではOB・OGと共にサポート役に回るなど端艇部の新たな戦力としての活躍が期待されます。

一方、バウはスカルでの艇上練習を重ね、ダブルを漕いでいた頃に比べて艇を伸ばす感覚がしっかり身に付いたように思います。スカルで臨む春の試合への不安もある中、パートナーの復帰断念を乗り越え一生懸命練習に打ち込む姿は他の部員が感心するほどであり、その頑張りが春の試合に生かされることを願うばかりです。

泣いても笑っても残る日数は1ヶ月を切り、新学年として忙しくなる中での練習はこれまで以上に過酷なものとなるでしょう。それでも、この2年間やってきたことをわずか5分の勝負に全て出し切れるよう、勝負の後に一片の悔いも残らぬよう女子コーチとして最後まで全力を尽くしたいと思います。この2年間はあっという間の2年間だったけれどやるだけのことはやってきました。最後の試合となる開成レース・一女戦でも、最高のレースを見せられるように三人で頑張っていく次第です。どうぞご声援のほどよろしくお願いします。

114回 近藤 清太郎

蒼鱗クルーの合宿のテーマは、合宿前までに練習を重ねたレート28でのライトパドルのリズムをレースでのコンスタントレートに移行させること、スタート及びスパートでの爆発力を付けることでした。そのため早朝にはより強いけりを作るため短距離のトライアル、午前にはコンスタントでの持続力を付けるための長距離漕、午後はスタートを中心とした練習というメニューを課しました。合宿前半では普段の何倍もの練習のために集中力が拡散し気味でしたが、中盤からはいいリズムで艇を進めることが習慣づけられてきて、疲労の度合いにかかわらず船を効率的に進めることができるようになりました。これはまさに集中的に練習を行う合宿の成果だと思います。後半からはスタートでのスピードもついてきて結果的には合宿の前から千トラで二十秒の短縮に成功することができました。
合宿全体でも一人の怪我もなく全艇で最もたくさん周回数をこなせたという点でクルーは一定の自信を持てたと思います。

114回 林 裕真

ダブルスカルのDISCOVERYと、シングルスカルのINTREPIDを担当しております林
です。
DISCOVERYはクルー結成当初から二人の息も合い、安定した速い漕ぎができてい
ました。その速さはクォドルプルの朱龍や蒼鱗に匹敵する艇速で、並べてもいい
勝負ができていました。ストロークの小島が上級生らしくバウの石塚を引っ張
り、石塚はそれに蹴りで応えて、お互いに二人の力を引き出しあっています。合
宿では迫り来る腰の痛みにも耐え、毎モーションで漕ぎを洗練させていきました。
INTREPIDは1年生の小田が一人で漕ぐということになり、並べられる艇もあまり
なく、艇上では孤独なモーションになりましたが、その中でも毎回自分の課題を
見つけて改善していき、漕ぎは見違えるほどに上達しました。合宿では低レート
に加えてパドルやスタートの練習を漕ぎこみ、大分形にはなってきました。
どちらの艇のクルーも辛く厳しい合宿を乗り越え、大きく成長しました。彼らの
活躍をお見せできるようにより一層練習に励んでいきたいと思います。

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