附属端艇部通信第22号
現場スタッフから
- 114回 近藤清太郎
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いよいよ来週の20日から合宿です。その前に簡単に対校クルーの状況をお伝えしようと思います。
実は前回の報告の前あたりから先週まで、対校クルーは長いスランプに陥っていました。(ただし、2月の終わりから10日まではテスト期間でした。) 一時はライトパドルレート20から32まできれいに4枚ずつあげ、かつかなり速いタイムを出せるようになり、早い段階でパドルの練習に入れると思ったのですが、その矢先に急にバランスが取れなくなり、漕ぎもまったく合わなくなってしまいました。一人ひとりの漕ぎも焦りからみるみるうちに崩れていき、当然タイムもガタ落ちしました。毎回の練習で試行錯誤したものの解決の糸口も見えないままテスト期間に入ることになったのです。
さて、テスト明けの練習でもやはり事態は変わりませんでした。相変わらず大きくバランスを崩し、漕ぎに調和をまったく見出せませんでした。そこで、私はストロークとバウを一時的に交換して少し練習させることにしました。というのも、クルー一人ひとりの中に、お互いの漕ぎを感じ取ろうとか、こちらから合わせて行こうという姿勢がまったくといっていいほど感じられなかったからです。これはやる気がないとかいう問題ではなく、「自分から合わせていく」「他の人の漕ぎの癖を知る」という概念がそもそもないからだと私は考えました。したがって、特に他の人の漕ぎが見えないストロークを1番後ろに持っていくことで、艇の状態や自分と他の人の漕ぎの関係について事実として認識してもらおうと思ったのです。
このことにより、ストロークは自分が焦るとスライドが速くなってしまうことを認識できました。また、他の選手もいつもと違う並びで漕いだことによって漕ぎに敏感になることができ、お互いの理解に資する結果となったようです。これをうけて私は、ストロークを元に戻した上で、後ろの3人のポジションも変えてみることにしました。これは、上記のような効果を期待して考えたものでもありますが、クルーを組んで以来2ヶ月練習してきた中で各選手の漕ぎの特徴が少しずつ変化し、いまのポジションが必ずしも最適の場所ではないのではないかとかねてから感じていたこともあります。また、この時期にポジションを変えて練習することに勇気は要りましたが、やるならとことんやったほうがいいと思ったのです。それが15日の練習だったのですが、予想以上に艇全体の漕ぎが向上しました。また、学習院の対校との並べでも一応勝つことが出来ました。
この変更したポジションでそのまま行くかは合宿までの2モーションで考えようと思っています。以上のようにけっして楽観できない状況ですが、いまは確実に上り調子の時期にあるので、このまま伸びてくれれば挫折を乗り越えたクルーとしてより強いクルーになってくれるのではと少し期待しています。皆様を安心させられるような報告が出来なくて申し訳ありませんが、是非戸田に応援に来ていただけると選手たちもより気合が入ると思いますのでよろしくお願いします。