附属端艇部通信第30号
朝夕は涼風が立ちはじめましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ホームページの更新が滞ってしまい申し訳ありません。大変遅くなりましたが、新コーチ陣からのコメントを掲載します。
現場スタッフから
- 116回 小島 大明
-
去年から女子コーチをやらせていただいております116回小島です。先日の千葉県、小見川で行われました国体、滋賀県、琵琶湖で行われましたインターハイ本選では数多くの先輩方から応援のメッセージを頂き、選手にとっても、私自身にとっても大きな支えとなりました。この場をお借りして感謝の気持ちを伝えさせていただきます。
さて、現在、女子ボート部では以前のクルーを一度解散し、新たに10月の初めに行われます東日本新人選手権に向けてのシートレースを開催しております。今回の東日本新人では更に先の関東大会を見据えたかなり長いスパンでのクルー編成を予定しております。そのためクルー編成では慎重さを第一に考え、単にエルゴの速さだけでなく艇上での技術、また、特に今回は選手個人の二年生としての意識の高さ、自分一人だけで自分の欠点を見つけ修正する能力など、こういった選手の自律性を重視したクルー編成をし、このシートレースを通し、お互いの動きを意識しあいよい意味で危機感をもって練習に臨むことで個人個人の能力、そして意識の高さを底上げできたら、と考えております。まだ、今現在シートレースを行っている最中ですので、残念ながら最終的にどういったクルーになるのかはこの場では申し上げることはできませんが、現時点の結果を見る限りでは前回の対校クルーはもちろんですが、前回のクルーはジュニアクルーでありましたが、自ら考え、努力を重ねてきた二年生が今回、予想以上の成績を出していますのでもしかすると、前回のクルーとはかなり違ったクルーをお披露目することになるかもしれません。
一年生も齋藤のもとで約2か月のこの夏を越えて、技術的、精神的にもかなりの成長がみられており、今後に期待が持てるようなクルーに成長しております。また、コーチの齋藤や石塚自身も4月から半年が経ち、私から見ても頼れる、立派なコーチとして選手を上手く導いてくれています。
今後とも、コーチ陣は男女ともにさらなる附属の関東大会、更には全国大会出場を目指し、精進してまいりますのでご支援、ご協力をよろしくお願いします。
- 117回 石塚 勇輝
-
今年度から男子コーチを務めることになりました、117回の石塚勇輝です。時間の流れとは早いもので、私が現役を引退してからすでに1年以上も経過しています。ボートという、喜びや悔しさで心の底から叫び、涙を流せるほどに打ち込めるものに出会えたことは、本当によかったと思っています。ボートを通じての様々な人との出会い、これもまた一生大事にしていきたいものです。ボートは厳しいスポーツですが、このような一面を後輩たちにも感じて欲しい、と思っています。
私がコーチになり、最初に感じたことは、自分の現役の頃に体で感覚として覚えていたものを、頭から引っ張り出し、それを言葉にしてわかりやすく表現する、というのはこんなにも難しいものか、という驚きです。そしてそれはやはり今も変わっていません。こちらからは言葉でしか言えない、実際に行動するのは後輩たちである、という一種の“隔絶感”のような物に、戸惑いを覚えることもしばしばです。117回のヘッドコーチだった近藤さんがよく口にしていたことですが、「自分たちで考えることのできるクルー」というのは大事だと私も感じています。どのようにしたらそのようなクルーに育てられるのか、試行錯誤を重ねる日々が続きそうです。
本年度の新入部員は、男子は9人です。皆明るく(少々私語が多いこともあるのですが)、頑張っております。今年は大学の授業との関係上、月曜日に男子コーチが行けず艇を出せないこともあり、艇上での練習が少なくなっています。そのため、技術の面では例年と比較しても未熟であると言わざるを得ません。しかし、そのかわり、体力面では目に見えて成長してきています。最初はままならなかった腹筋背筋のメニューも軽くこなすようになり、先日行ったエルゴでの1000トラでは、初めてにもかかわらず20秒台を出した部員もいます。ここ数年で言われている、早稲田高等学院や並みいる強豪校との、技術だけでは埋められない体力面での差を、彼らなら克服してくれるだろう、と期待しています。人数が多いだけでなく、層の厚い部にしていきたい、そうなって欲しい。そのために、彼らにとっての“踏み台”になれれば、と思っています。
附属端艇部はOB・OGの方々の御支援なくして成り立たないことを痛感しております。期待にこたえられるよう、精一杯努力する所存です。今後も現役の応援をよろしくお願いいたします。遅くなりましたが、これを新コーチの挨拶とさせていただきます。
- 116回 斉藤 拓真
-
新しく女子コーチに就任した、116回斉藤拓真です。主にジュニアクルーを担当しています。
もう4ヶ月ほどが過ぎ、2年間空いてしまった現場の感覚は取り戻せました。またモーションに励む現役に対し、指導する立場である傍ら、彼ら彼女らから刺激を受ける場面も多々あり充実した日々を送っております。
例えば私が見ていた二年生女子ダブルクルーは、自身のインターハイ出場を逃し、予選を通過した女子クォドのインターハイのヘルプかつ応援に琵琶湖まで行きました。そこで全国トップクラスの高校生たちの漕ぎを目の当たりにし、非常によい経験をしたようです。彼女らは遠征から帰った後初のモーションで「自分の中にいい漕ぎのイメージを持って帰ってきた。」と話し、1000mトライアルでそれまで最速のタイムをマークしました。そして東日本選手権では見事トップでゴールしました。
このようにコーチがあれやこれや岸から声をかけたりすることは、確かに大切なことのひとつではあると考えながらも、どこか限界があると感じざるを得ません。私が見て思うことと選手が実際に漕いで思うこととは必ずしも一致しません。しかし最終的に漕ぐのは選手たちなのです。選手が自分の中に何か「いいきっかけ」のようなものを発見しそれを突き詰めていく感覚、それは選手自信にしか分かりません。
コーチの存在意義とは何か。私は今、先の「いいきっかけ」を見つけるための「きっかけ」に徹することと考えます。なんだか遠回りのように思われますが、選手が自ら意識し自己を革新していく、そのほんの少しの契機となれば私の仕事は大いに達成されると考えます。
諸先輩方のスタンスと異なるかもしれませんが、また今後私の方針が変わることも大いに考えられますが、現状を報告し挨拶に代えたいと思います。
今後も漕手ならびに用具の安全に十分配慮し、練習していきたいと思います。応援よろしくお願いします。
- 117回 行川 修平
-
今年の4月からコーチになりました117回の行川です。現役時は対校クォドルプルのバウを努めました。
大学の関係もあり、自分は毎週土曜日専属のコーチという形で一年生の指導及びクルーの安全確保に当たって参りました。来年からは同じく大学の関係上関東を離れることになるので、短期間のコーチということでやらしてもらっています。
現役時代は正直自分がコーチをすることはないと思っていたのですが、気付いたらいつの間にかコーチという立場に立っていました。いざコーチになると、そこには不安や心配や期待などが入り交じる今まで見たことのない全く新しいボート世界が広がっていました。今まで数ヶ月間指導に当たってきて、コーチという存在の大切さ、素晴らしさ、そして何よりも大変さを身を持って体感させられました。
自分は現役時代、漕ぎの技術やボートに関する知識がほとんどなく、身体面や精神面を特に意識し毎回のモーションを乗り越えてきました。漕ぎの技術に関しては、一年生の頃からずっとコーチやOBの方に注意されてきたのにも関わらず、引退まで皆の模範となるような漕ぎは結局出来ませんでした。その代わりに自分は身体と精神を特に高めてきました。
身体面に関しては、どこで力を出すべきなのか、どうしたらより艇を伸ばせるのか、どんな練習をしどこを鍛えれば強くなれるかなどを常に考え、エルゴや陸上トレーニングを毎週欠かさずに行ってきました。
精神面に関しては、どんな気持ちで毎モーション行うべきか、クルーの雰囲気を良くするにはどうすればよいかなどを考えました。まずは自分に強くなることを第一目標とし、どんなに辛い練習であっても絶対に手を抜いたりはしないと自分に鬼となって接してきました。
このように自分には技術や知識はほとんどないけれども、身体と精神については人よりも多少は理解しているつもりです。この身体と精神をボート部員に指導し、より良い雰囲気で、より強い気持ちで毎回のモーションをこなし、一つでも多くの試合で勝利を掴めるようにするのが自分の役目であると思っています。自分が指導する期間も残り僅かとなってきましたが、自分が持っているもの全てを精一杯伝えていきたいと思っています。
これからも筑波大学附属高校端艇部をよろしくお願いします。